UPSって何?役割や機能、必要性。選定の方法など。
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UPSについて。
UPSって何?機能や役割。
UPSとは、Uninterruptible Power Supply の略称で、日本語では無停電電源装置と言います。
停電の際に内部のバッテリを使い、時間は機種の仕様によりますが一定時間給電を行う装置です。
停電や瞬停、雷サージ、サグ(瞬低)、ノイズなどの電源異常は電子機器の大敵で、大切な機械そのものや部品、データを破壊されたり、動作が不安定になったりします。
停電時の給電だけでなく、上記のような電流・電圧の異常によるトラブルから機器やデータを保護する目的の機能もついている機種が主流になってきています。
【補足】
瞬停・・・瞬間的な停電。
雷サージ・・・雷の影響で発生する通常の電圧をはるかに超えた過電圧・過電流。さまざまな経路があり直撃雷、誘導雷、侵入雷、逆流雷などがあります。
ノイズ・・・ここでは、サージほど大きくなくすぐさま機器が破壊されるほどではないが動作やデータに悪影響を及ぼす可能性がある異常な電圧。
サグ(瞬低)・・・一時的な電圧低下。
UPSがあれば上記の異常にすべて対応できるというわけではなく、各メーカーよりいろいろなスペックや方式の機種が発売されており機種により上記のどれに対応可能かといったことが変わってきます。
UPS選定の主なポイント
たくさんあるUPSの機種からどれを選ぶか考える場合にポイントとなる点をあげておきます。
◾️ どのような機器のバックアップ電源として利用したいか。
⇨電力容量の合計や波形、給電方式を選ぶのに必要となるので対象機器のリストアップは必須と言えます。
◾️ バックアップ時間や搭載している機能
⇨上述のような電源異常にどこまで対応したいか、対象機器との対応状況、連携機能の有無など。
◾️ 価格(予算)
このようなことをポイントに選定していきます。当然高機能でスペックが高いほど価格も高くなる傾向があります。
電源容量の合計について
UPSに接続したい機器をリストアップしたら、全ての機器の電力容量を合計します。
各機器ごとに機器自体、カタログ、取扱説明書、ホームページなどを参照したり、直接問い合わせるなどしてください。
表記はVA(ボルトアンペア、皮相電力)、W(ワット、有効電力)、A(アンペア)と言った単位になっており、UPS選定で必要な容量もVA総容量とW総容量がありますので以下のような方法で換算し合計を求める必要があります。
VA=V(ボルト)×A
VA=W÷力率
W=VA×力率
力率=W÷VA
力率は機器によって異なりますが概ね0.6~1.0程度となります。不明な場合は割る場合0.6、かける場合は1.0で計算するとよいでしょう。
UPSの出力波形について
UPSの出力波形は正弦波と矩形波(くけいは)があり、機種によりどちらの出力波形になっているかが異なります。
矩形波タイプの方が費用的には抑えられる傾向がありますが、最近の電子機器はPFC(力率改善)搭載で正弦波入力が推奨されているものが多いです。
実際に、これらの機器のバックアップ用電源として矩形波タイプのUPSを使用した場合、上手く電源バックアップが出来ないなどの問題が発生しているようなので注意が必要です。
明確に用途が決まっており矩形波タイプで大丈夫という場合以外は、今後を考えても正弦波タイプを選んだ方が良いでしょう。
UPSの給電方式について
UPSの給電方式は、常時商用給電(オフライン)方式、ラインインタラクティブ方式、常時インバータ給電(オンライン)方式があります。
常時商用給電(オフライン)方式
通常運転時はバッテリー充電を行いながら交流入力をそのままの状態で通過させ、電源異常の際にインバータ運転に切り替える方式です。
・シンプルかつコンパクトで価格が安い。
・通常時の電力ロスが少ない。
・切り替え時に瞬断が起こる。一般的なOA機器ではほとんど問題ないが、安定性が求められる機器やシステムのバックアップとしては不向き。
といった傾向があります。
ラインインタラクティブ方式
正弦波の常時商用給電方式に電圧安定化機能がプラスされた方式です。
価格や性能は常時商用給電方式と常時インバータ方式の間の位置づけとなります。
常時インバータ給電(オンライン方式)
通常運転時からインバータを経由させノイズなどを取り除きながら安定した給電を行う方式です。
・大型で高価格。大規模かつ精密な機器やシステム向き。
・通常時の電力ロスが多い。
・ノイズなどを取り除く効果が高く、切り替え時の瞬断もないため、高い安定性が求められる機器やシステムの保護に向いている。
といった傾向があります。
総括
こちらのぺーじでは、停電や雷サージ対策として有効なUPSについて記載させていただきました。
停電や落雷による被害は急にやってきます。実際に被害に遭ってからでは遅いのでリスクを算定し適切な機器を準備して備えておきましょう。
機種選定は、慣れないと難しく見えるかもしれませんが、ホームページなどで選定ツールを準備してくれているメーカーが多いので利用するとよいと思います。
また、電力容量やバックアップ時間についてはいずれも余裕をもった数値で機種選定されることをお勧めいたします。
そして、UPSを設置すれば絶対大丈夫というわけではないので、あくまでリスクに遭う可能性や被害を低減させるための商品と認識してください。
雷サージに関しては大きさもまちまちです、強いサージや直撃雷などUPSの上限を超えるものは防ぐことが難しくなります。
雷対策を例に挙げると、電源ケーブルなどを侵入経路から外してしまう(電源の場合コンセントから抜く)といった対策が基本的かつ有効というように、他の対策も合わせて行うことでリスクや被害をより低減させることが可能になります。
こちらのページはここまでとなります。お読みいただきありがとうございました。