Mac の標準機能で Zipフォルダ(ファイル)を作成し、パスワード設定する方法。
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・「Mac で複数のファイルが入ったフォルダをメール送信するのはどのようにしたら良いのでしょうか?」
・「Mac でフォルダにパスワードを設定したいのですが、良い方法はないでしょうか?」
・「Mac で Zipファイルを作成することはできますか?ソフトを利用するしかないのでしょうか??」
・「Mac で Zipフォルダ(ファイル)にパスワードを設定したが上手く開けない。」
・「Mac で作成したZipフォルダ(ファイル)を送付し Windows で解凍すると覚えのないファイルが一緒に入っているのですが。。」
といったご質問をいただくことがございます。
複数のファイルを共有するには、ファイルをZip圧縮し(Zipファイル)1つのフォルダ(Zipフォルダ)に格納して送付する方法がございます。
Mac では、指定したフォルダからパスワード付きの Zipフォルダ(ファイル)を作成することが標準の機能で可能ですので、こちらのページで方法やポイントについて記載させていただきます。
Zipファイル(フォルダ)を作成したりパスワードを設定する方法はいろいろとありますが、こちらのページで紹介させていただく方法は、Mac 標準のターミナルで zip コマンドを実行する方法になります。
他のソフトウェアのインストールや実行、追加費用などは不要かつ、ページ記載日時点(macOS Catalina バージョン10.15.6)では正しく行えば問題や失敗の起こりにくい方法になりますので、まずはこちらの方法をご検討いただくと良いかと思います。
また他の方法を利用されてみて、どこかの段階でエラーとなるなど上手くいかなかったり、目的を果たせなかった場合なども参考にしていただけますと幸いです。
ただ Zipファイルにパスワードを設定して受け渡しを行うなどの行為自体は、セキュリティ対策として十分とは言えません。政府や一部の企業でもパスワード付きのZipファイルを添付したメールの送受信などを廃止する動きが広がっています。詳細は他ページでの記載など別の機会とし、こちらのページでは簡単な記載に留めさせていただきますが、理由として以下のようなことが挙げられます。
- 暗号化されたままでもファイル名は確認できる。
- 暗号化されているとセキュリティチェックをすり抜けてしまう。
- ファイルとパスワードが同じ手段(メールなど)で受け渡されることが多く、盗聴対策として不十分。
当ページの内容の閲覧や今後Zipファイルを取り扱われることがあった際にも、上のようなリスクについて十分ご理解とご注意いただくことを推奨させていただきます。
目次
Mac での Zipフォルダ作成とパスワード設定の方法
例として以下の条件で作成していきます。
- 元のフォルダの場所および作成した Zip の出力先:デスクトップ
- 元のフォルダ名:sample
- 作成するパスワード付きのZipフォルダ名:encrypt.zip
- フォルダ内のファイル:sample.docx , sample.pages , sample.pdf の3ファイル
後でも記載がございますが、Windows との共有時における文字化け防止などのためにフォルダやファイルの名称は半角英数(必要があれば “_”アンダーバー)を利用されることをおすすめいたします。
MacでのZIPファイル作成とパスワード設定の手順例
1.ファイルを含めたフォルダを準備します。
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2.ターミナルを起動します。
ターミナルは、Windows でのコマンドプロンプトにあたるコマンド入力によって Mac の操作や設定などを行う Mac 標準のアプリケーションになります。
- Finder > アプリケーション > ユーティリティ > ターミナル
- Launchpad > その他 > ターミナル
- Spotlight 検索
などから起動することができます。
↓
このような画面が起動します。
以降ターミナルでの入力操作になります。
3.cd desktop と入力し〔Return〕キーを押します。
まずはターミナル上でデスクトップに移動します。
ターミナル上でのディレクトリ移動には cd (change directory)コマンドを利用します。
cd desktop
※cdとdesktopの間には半角スペースが入ります。
と入力し〔Return〕キーを押します。
↓
4.zip -e -r 作成するZipフォルダ名.zip 元になるフォルダの名称(フォルダパス) と入力し、〔Return〕キーを押します。
こちらの手順例では、zip コマンドを利用します。
-e と -r はzip コマンドに対するオプションになります。
「-e」 ・・・ encrypt 暗号化を行うためのオプションです。
「-r」 ・・・ recurse-paths フォルダ内の複数ファイルを再帰的に扱うためのオプションです。
zip -e -r 作成するZipフォルダ名.zip 元になるフォルダの名称(フォルダパス)
を入力します。こちらの例の場合
zip -e -r encrypt.zip sample
となります。
※コマンド、オプション、フォルダ名それぞれの間には半角スペースが入ります。
※例では、ターミナル上の現在のディレクトリ(デスクトップ)上に元となるフォルダ(sample)があるため、元になるフォルダの名称としていますが、ターミナル上の現在のディレクトリ(カレントディレクトリ)と異なる場所にあるフォルダを対象とする場合は以下のようにフォルダパスを指定する必要があります。
書類(Documents)内にあるフォルダsample2を対象とする場合
zip -e -r encrypt2.zip /Users/ユーザー名/Documents/sample2
※コマンド、オプション、フォルダ名、パスそれぞれの間には半角スペースが入ります。
ターミナル上にファイルやフォルダをドラッグ&ドロップすることでパスを入力できたりもしますが、作成された Zip は、ここで指定したパス通りの階層を持って作成されます。利便性やわかりやすさなどを考慮すると、特に理由がなければやはりデスクトップなどに揃えて作業する方法がおすすめです。
入力後〔Return〕キーを押します。
上のようになりますので、任意の同じパスワードを2回入力します。
※パスワードを入力しても特に文字や記号は表示されません。入力→〔Return〕キー→確認用入力→〔Return〕キー と進めます。
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このようにフォルダ内のファイルが圧縮されてZipフォルダ内に追加されているメッセージが表示されます。
↓
デスクトップに戻ると、上のようにZipフォルダが作成され、開こう(解凍しよう)とするとパスワードが求められることをご確認いただけるはずです。
※また、暗号化は行わずパスワード不要で解凍可能なZipを作成する場合は、-e オプションを外すことで作成できます。
zip -r 作成するZipフォルダ名.zip 元になるフォルダの名称(フォルダパス)
※コマンド、オプション、フォルダ名それぞれの間には半角スペースが入ります。
ここまでが、任意のフォルダからパスワードを設定したZipフォルダを作成する手順になります。
パスワード暗号化した Zipフォルダ を作成しパスワード入力するが開けない??
「Zipフォルダ(ファイル)にパスワードを設定したのち、正しいパスワードを入力しているのになぜか開くことができない(解凍できない)」
という現象についてもよく耳にします。
どうやらフォルダの副(右)クリックで開くメニューの「圧縮」からZipフォルダ(ファイル)を作成し、その後ターミナル上で zipcloak コマンドを実行しパスワード設定を行う手順をとっている場合にエラーとなっているケースがあるようです。
パスワード付きの Zip を作成する際には、当ページ上部で記載の通り作成段階からターミナル上で zip コマンドを使う手順をお試しください。
Windows PCへの配布や Windows での解凍が想定される場合に注意したいポイント。
また Mac で作成したZipフォルダ(ファイル)を、Windows ユーザーに配布などを行った際によく問題となるのが主に以下の2点になります。
・フォルダ名、ファイル名が文字化けする。
・解凍したフォルダ内に不要なファイルが含まれている。
Mac で作成した Zip フォルダ(ファイル)でファイル名が文字化けする原因と対策。
Mac で作成した Zip フォルダ(ファイル)を Windows で解凍するとファイル名が文字化けするのは異なる文字エンコードが原因です。
対策として、ページ上部でも記載させていただきましたが、フォルダやファイルの名称は半角英数(必要があれば “_”アンダーバー)を利用されることをおすすめいたします。
Zipフォルダ(ファイル)内にある変なファイルとは?
Mac で作成したZipフォルダ(ファイル)を Windows で解凍すると、
- 「__MACOSX」というフォルダ
- 「.DS_Store」というファイル
が含まれていることがあります。両方とも Windows では不要なファイルですが、覚えのないファイルが含まれていることを気にされる方は気にされます。
「__MACOSX」については、フォルダの副(右)クリックで開くメニューの「圧縮」からZipフォルダ(ファイル)を作成する手順などでは含まれますが、当ページの手順 ( zip コマンドで作成する手順 )では生成されません。
「.DS_Store」については 作成時の zip コマンド 実行時に以下のオプションを追加することで作成されたZipフォルダに含ませないようにすることが可能です。
「-x」 ・・・exclude 除外するためのオプションです。
zip [-e] -r 作成するZipフォルダ名.zip 元になるフォルダの名称(フォルダパス)/ -x “*.DS_Store”
「-e」 は暗号化を行う場合のみ必要となります。
※コマンド、オプション、フォルダ名それぞれの間には半角スペースが入ります。
こちらのページの例の場合
zip -e -r encrypt.zip sample/ -x "*.DS_Store"
すでに作成済のZipの場合
zip -d 対象のZipファイル名.zip "*.DS_Store"
となります。
「-d」 ・・・delete 削除を行うためのオプションです。
暗号化済のZipフォルダ(ファイル)の暗号化を解除する方法。
最後に暗号化(パスワード設定)済のZipフォルダを暗号化されていない状態に戻す方法になります。
zipcloak コマンドを使います。
zipcloak -d 対象のZipファイル名.zip
「-d」・・・decrypt は 暗号化前に戻すためのオプションです。
※コマンド、オプション、フォルダ名それぞれの間には半角スペースが入ります。
今回の例の場合
zipcloak -d encrypt.zip
を入力し、〔Return〕キーを押します。
↓
上図のように、パスワードを求められますのでパスワードを入力すると暗号化解除が行われ表示されます。
フォルダの場所に戻り、ダブルクリックなどで開こうとするとパスワードを求められることなく開かれるはずです。
パスワード付きZipファイルに関する総括
こちらのページでは、
- Mac でパスワードを設定したZipファイルを作成する方法
- Windows ユーザーへMacで作成したZipファイルの配布を行う際のポイント
- 暗号化したZipファイルの暗号化を解除する方法
などについて記載させていただきました。
ターミナル上でのコマンド実行は馴染みがないと難しく見えるかもしれませんが、最初は手順に沿って進めてみてください。慣れてくると作業速度も上がってきます。
最後になりますが、パスワードについては状況に応じて適切な強度を持った設定を行っていただくこと、また日頃から異なるOS間でのファイル共有なども含めた協業イメージなどを想定しながら準備しておくことなども大切ですので記載させていただきます。
そして冒頭でも記載させていただいた通り Zipファイルにパスワードを設定して受け渡しを行うなどの行為自体は、セキュリティ対策として十分とは言えません。
今後Zipファイルを取り扱われる際には、上で記載させていただいたようなリスクについても、十分ご理解とご注意いただけますようお願いいたします。
以上、こちらのページはここまでとなります。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
Mac 利用時のパスワード設定については以下のページでまとめています。
ブックマークなどいただくと、他のファイル形式でパスワード設定を行いたい場合などに役に立つ状況があるかと思いますので、よろしければご覧ください。
⇨Mac でファイルやフォルダにパスワードを設定する方法。用途・ファイル形式ごとまとめ。